どちらにしてもそこからが大切です。出た結果を踏まえて、今後何をしなければいけないのか、何が足りなかったのかを考えるのは、コーチではなくて君自身です。君なりの結論を出して、次につなげていきましょう。
今回はジュニアユース(中学生)のお話をしましょう。
今年のジュニアユースチームは高円県大会の準決勝でガイナーレ鳥取U-15に負けて3位という結果でした。優勝を目指してみんなでやってきたので、コーチ、選手とも悔しさが残る試合でした。
ただ、今の自分たちの力は100%に近い形で出せたのではないでしょうか。そこに関しては、満足しています。
ですが、ここをもっと高めていれば、こうやっておけばもっと良くなったのではないか、という種類の後悔はやはりあります。やっている当事者からすれば、いくらいいゲームをしても負ければ、100%満足することはないと思います。監督、選手の頭の中はそんなに単純ではありません。
この日のために、来る日も来る日もみんなで頑張ったのですから・・・ですが、いろいろな方から「すごく良い試合だった。」とか、「感動した」とか、ある人は「選手たちの頑張りに涙が出そうだった。」とまでおっしゃってくれました。
数名の指導者が、わざわざ私のところに電話をくださり、ほめてくださいました。これらの反応に少し戸惑いながらも、お礼を言わせていただきました。
そこから私の中に一つの疑問が生まれました。なぜ、皆さんが感動してくれたのだろうか?なぜ、中学生のサッカーの試合で涙が出そうになったのでしょうか?
いろいろ考えた結果、ありきたりな言い方かもしれませんが、自分たちを信じて、自分たちの限界に挑んで、自分たちより強い相手に戦いにいった選手たちに皆さん感動していただいたのではないかと思いました。
確かに今回の試合は、相手の方がチームとして一枚も二枚も上でした。それは、やる前から私も、選手も分かっていました。ですが、相手が自分たちより強いときの方が、私たちは闘争心に火が付きます。体中をアドレナリンが駆け巡るのがわかるくらい燃えます。
そして挑んでいくことができました。相手よりも走り、戦い、ギリギリの戦いをすることができました。
選手たちは本当に必死に戦ってくれました。この試合で骨折した選手もいました。この試合で怪我をして途中で交代した選手もいました。
みんな球際で逃げずに戦った代償として怪我をしました。怪我は残念でしたが、そのくらい頑張って戦った選手たちに、私自身も誇りに思えました。
そしてこの日のために、毎日毎日努力を重ねた選手たちは素晴らしかったです。この努力があったからこそ、最後まで戦えたのだと思います。やはり日々の努力が大切だと、改めて感じました。
周りの人は、技術や戦術に感動するのではない。人間と、人間が、本気でぶつかり合い、魂を込めて戦っていく姿に感動していくのだということを学びました。そしてそれは年齢でもなく、プロだとか、アマチュアなどというカテゴリーでもなく、単純に人間が限界に挑戦するという姿に感動するのだと思いました。
そんな姿を見せてくれた選手たちに感謝の気持ちでいっぱいです。
この試合をもって、中学三年生のFCカミノでの大きな大会が終わりました。本当にお疲れ様でした。最後に最高の試合を見せてくれた君たちと一緒に頑張ってこれたことを心から感謝します。本当にありがとうございました。そして卒業までの、もう少しの時間を一緒に頑張っていこう。これからは、君たちがここを出てからも困らないように、伝えておかないといけないことをやさしく、やさしく(笑)、伝えていきたいと思います。覚悟しときたまえ!!3年生の保護者の皆様、本当にお世話になりました。もう少しの時間お付き合いをお願いします!!
FCカミノヘッドコーチ吉川尚男