では子供たちはどんな心境になるかと言えば、中学校3年生、小学6年生はやはり追い込まれてきます。やっぱり何をおいても勝ちたいですし、もっと言えば負けたくないという気持ちが自分を支配していきます。そして今までやってきたことへの自信がなくなってきて、今までやらなかったことをやってみたりして余計に悪い方に進んで行ったりするのがこの時期ではないでしょうか。
ここで選手が考えないといけないのはやはりいつも通りに、「少しずつ努力をする歩みを止めない」ことだと思います。今から何かをして変わっていくとは思えません。今までゆっくりだけど自分ができる努力を続けてきた選手は迷わずそれを続けて行けば良いのです。
一番悪いのはここになって不安になって何かを始めることです。行き当たりばったりのことでうまくは行きませんからね。そして試合になれば、サッカーを楽しむ気持ちをどんな時も忘れないことです。サッカーは好きで楽しくてやっていることだと思います。でも、追い込まれて行くとそこに楽しさが消えてしまいがちになりますよね。好きで始めたサッカーを嫌いになってしまっては、やっている意味が全くありません。
そして挑戦することです。失敗を恐れないでというよりは、失敗をする覚悟を持ってやるという方が合っているかもしれません。だってミスのない、失敗のないサッカーって見たことないですよね?一流選手から、小学生までみんなが同じくらいミスをします。サッカーはミスのスポーツだからです。ミスを無くそうと思えば手を使えるようにすれば良いのですが、サッカーはわざとこの手が使えないようにして難しくしてあります。つまり、わざと子供たち(選手)に失敗がたくさん出るルールにしてあるのです。そして、その失敗をその後どうやって成功へ変えていくかを学ぶスポーツなのです。
失敗は全く悪いことではないし、負けることも悪いことではありません。一番悪いのは、負けることを恐れ、失敗をする覚悟を持たないで挑戦しないで、ミスのないように、プレー(行動)をすることです。そして失敗から何も学ぼうとしないことです。これではサッカーをやっている意味が全くありません。
大きい大会だからと言って難しく考えることはないよ。ただピッチに立って思いっきりサッカーを楽しむことです。勝っても負けても、成功しても失敗してもそこから学んで行くことは山ほどあって、みんなにはこの大きい大会で何かをつかみ、学んでくれるようにという大人の思いがありこの大会は作ってあるのです。
さあ、もうすぐ始まります。一つ一つを大切にして、毎日「昨日の自分を今日超える」ことに挑戦して行こう。それこそが、サッカーを楽しむための最大の準備になります!
FCカミノ 吉川尚男