毎年毎年同じことを繰り返し、繰り返して行きます。同じことと言っても、毎年子供が違いますし、長い目で見ていくと時代も違います。10年前の子と今の子を比べるとやはり違いが出ています。その子たちと格闘しながら毎年を送ります。
冬に土を寝かせ、春に田植えをし、夏の暑いときに草刈りをし、秋に収穫をします。カミノの子供たちも、収穫の時期を迎えたのではないでしょうか。寒い冬を経験し、後輩や、新しい子が入ってくる春を経験し、うだるような暑さの中ボールを追いかけまわして真っ黒になった夏を経験し、みんな一回りも二回りも大きくなりました。これからまだまだ続くサッカーシーズンをしっかりと楽しみましょう!
中学生のある子が言いました。「コーチ、指導者やってて一番楽しいことってなんですか?一番嫌なことってなんでか?」
急に聞かれたので少し考えてから答えました。「一番嬉しいことは、お前が下の子に声をかけて励ましていた姿だよ。一番嫌なことは、お前が家や学校で、悪さをすることだよ。まっ、それも必要ではあると思うけどね(笑)」
そう言うとその子は、嬉しそうな、バツの悪そうな何とも言えない顔をして笑っていました。指導者が、一番嬉しいことは試合で勝つことでもなく、大会で優勝することでもありません。指導者が本当に嬉しいことは、その子が人として成長を見せてくれたときです。
そして本当に一番悲しいのは・・・、その子が先に逝ってしまうことです。
つい最近もそんなことがありました。その子は以前、カミノにクリニックで来ていた子でした。いつも笑っていて、一生懸命頑張る姿が印象に残る子です。病気で亡くなりました。
とてもサッカーが好きで、仲間を大切にしていたと聞きました。亡くなったことを聞いてから、数週間心が動揺していたと思います。
彼のためにも、やはり自分のできるサッカーをしっかりとしていくこと、そして、子供たちにも一生懸命接してやること、子供たちとの時間を大切にしていくことを考えさせられました。
私たち大人が、子供たちに望むことはなんでしょうか?やはり、元気に笑顔で毎日を過ごして欲しいということ。そして私たち大人よりも幸せになって欲しいということではないでしょうか。私たち指導者、大人はもう一度このことをしっかりと頭に入れて、子供たちに接して行かないといけないと思います。
そして毎日の一日一日を大切に、しっかりと噛み締めてやって行きたいと思います。
ご冥福をお祈りいたします。
子供たちへ
少しぐらいサッカーができなくたって、勉強ができなくたって気にすることないよ。もっと上手くなりたいと言って頑張っている姿がとても尊いのです。そして、悩んで、苦しんでも笑顔で自分の人生をしっかりと歩んで行って欲しいです。
大人は、君がどんな大人になるか楽しみにして毎日接しているんだよ。頑張れ!!
FCカミノヘッドコーチ吉川尚男